父の誤算
皆さん、こんにちは。
保険クリニック飯田橋店の根岸です。
当コラム初登場の前回は、自己紹介、というか自分の生い立ち(といっても、そう大げさな話題ではありませんが)についてのちょっとした話を書きました。
もうちょっとだけ、自分語りをからめて続けさせてください。
あれは、第一志望の大学の入試に奇跡的に引っかかり、上京して生活を送ることが決まったときのことだったと思います。
奨学金の申請をしようか、と言った私に、何故か母は猛反対しました。
母が言うには・・・
お前のお父さんは大学進学時に奨学金を借りた。
ところが、その返済が終わらないうちに亡くなってしまった。
そして、その妻である自分が残額の返済義務を負わされることになった。
と。
単純相続をすれば、亡くなった人のプラスの財産はもちろん、マイナスの財産、つまり借金も含めて相続人が引き継ぐことになります。
世の中そういうルールになっているのはわかっちゃいるけど、
「自分が利用したわけでもないのに、何で私が・・・」
という気持ちは拭えなかったのでしょうね。
もちろん、さすがに母は露骨に口に出すことはしませんでしたが。
そして、母はこう言葉を続けました。
お前の学費はきちんと貯めていたのだから、心配するな。
いま思うと、学資保険を使ってコツコツ積み立てていたのかもしれません。
少なくとも私を社会に出すまでのプランは、きちんと考えていたのでしょう。
早め早めの準備って大事。
さて、前回お話しした通り、亡くなった父も生命保険に入っていました。
そして、それが遺された私たちの生活を援けたことは間違いありません。
でも、母はしばらくの間、亡き夫の奨学金返済で苦労したといいます。
これ、とっても重要なポイント。
保険に入っていたのはいいけれど、契約時(あるいは更新時)に設定した保障額が、本当に必要な額には足りてなかった、ということですよね。
未返済の奨学金分も考慮して保障額を決めて契約していれば、後年、母が自分の賃金から返済を続ける理不尽さを感じることはなかったはず。
もしも私の父が・・・
最初に保険加入したときに、万一の際に遺族が必要とする額をきちんと計算して保障額を設定していたら?
あるいは、結婚という、ライフステージそして必要保障額が変化するであろうタイミングできちんと保険の見直しをしていたら?
そもそも、それらをきちんとアドバイスできる人に保険相談・加入をしていたら??
母は経済的にも精神的にも、少し楽だったのでしょうにねぇ。
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